〜ナレーション 前編のあらすじ〜
鉄朗はついに機械の体をタダできれる星に到着した。しかし、機械人間になる事の
むなしさを知って、例え限り有る命でも生身の体でいようと決心した。
プロメシュームは999号もろとも鉄朗をブラックホールで処刑しようと計った。そして
その鉄朗を助けようとしたメーテルもプロメシュームの手で捕らえられてしまった。
〜本編 「青春の幻影さらば999後編」〜
宇宙、999がブラックホールに引き寄せられ、鉄朗は手錠足かせ状態。
車掌「鉄朗さん!」 鉄朗「車掌さん!」
車掌「いやいくら機関車がパワーアップしてもどうにも」 鉄朗「ええっ」
車掌「もう駄目です、鉄朗さんも私も999もじきに押しつぶされる運命で」
鉄「冗談じゃないこんな所で死んでたまるか!生きるんだ生きるんだよ車掌さん!黙って
プロメシュームに殺されるつもりかい」車掌「鉄朗さん..やりましょう最後の最後まで」
鉄「車掌さん!」車掌「鉄朗さん銃は持ってますね?」鉄「うん」車掌「動かないで」
銃が鉄朗の手足にかけられた鎖を壊す。鉄朗「やったー!」 機関車室へ。
機関車「ダメデス惑星プロメシュームカラ強力ナ誘導波ガ流レテイマス振リキレマセン」
鉄朗「何だって誘導派が?」 車掌「最大パワーで脱出するんだ!」
機関車「シカシ長イ間続ケルト空中分解ノオソレガ」
鉄朗「死んでもともと、さあ早く!」 機関車「ワカリマシタ」
メーターが振り切られ火花を散らす機関車。だが脱出出来ず。プロメシュームの幻影
プロメシューム「いくらあがこうとも所詮は無駄な事。フフフ、メーテルよ鉄朗の
死に様をよく見ておくが良い。いずれお前も鉄朗の後を追う定め、フフフ」
〜メーテルの捕まっている牢獄〜
メーテル「鉄朗..」立ち上がり、指輪からレーザー光線で扉を貫く。
見張りをムチでなぎ倒し、コントロール室へ。ムチと指輪レーザーで監視を倒し、
誘導派をカットしマイクを持つ。メーテル「鉄朗あたしよ、聞こえる?」
〜999号の中〜
鉄朗「?メーテル」メーテル「誘導派をカットしたわ。早く脱出するのよ」
鉄朗「え、でもメーテル..」メーテル「私はいつでもあなたの味方。さあ早く」
鉄朗「メーテル..」運転席へ。車掌「鉄朗さん運転出来ますか?」
鉄朗「やるしかないよ」レバー引く車掌「それは汽笛ですよ」鉄朗「分かってるよ」
車掌「動いてませんよ」鉄「えーいこれならどうだ!」車掌「あ動いた動きましたよ」
鉄朗「よし」車掌「動いたぁ」鉄朗「やったじゃあ車掌さん戻るよ。」車掌「へ?」
鉄朗「車掌さんは僕がメーテルを連れて来るまでに機関車の修理を頼むよ」
車掌「ハイ」鉄朗「よし、行くぞ」
〜惑星プロメシューム 王座〜
プロメシューム「何999が脱出したと?」部下「は、すでに惑星ステーションに
戻っている模様にございます」プロ「で、メーテルの行方は」部下「は、それがまだ」
プロ「ええい、何をしておるのじゃ、殺せ!鉄朗もメーテルも殺しておしまい!」
〜プロメシュームの城、鉄朗が車にまぎれて潜り込む〜
城の中、何者かが来て隠れる鉄朗「あ、ミライ..」
廃棄場に飛び込もうとするミライを止める鉄朗「止めろ!!何て事をするんだ」
ミライ「放して下さい!仕事に失敗した以上こうするしかないんです」鉄朗「仕事?」
ミライ「私はあなたの未来、機械の世界に導く女。でもあなたは生身の体を選び
ました。もう私の存在価値は有りません。死なせて、死なせて下さい!」
鉄朗「バカ!」殴る。泣きくずれるミライ。鉄朗「何てことを言うんだ君は。
君にだって君の人生ってもんが有るだろ。何故自分の為に生きようとしないんだ。
そういう事を考えた事が無いんなら、たった今から考えれば良い。誰にだって
自分の為に生きる権利が有るんだよ。ミライって君の名前は僕の未来じゃ無い、
君の未来の為に有るんだ」ミライ「鉄朗さん...」鉄朗「約束してくれるね?
もう二度とこんな事しないって。いいね?」ミライ「はい」
監視カメラに見つかり、光線をよけて銃で破壊する鉄朗。
鉄朗「見つかった!行こう!」廃棄場の扉が開き、銃を構える鉄朗。
鉄「メーテル」メ「鉄朗!」鉄「メーテル!ごめんよメーテル。疑ったりして
ホントにごめん」メ「良いのよ、もう」鉄朗「さあ早く999へ戻ろうよ」
メ「先に行っててちょうだい、私にはやる事があるの」鉄「やる事って..メーテル、
まさかプロメシュームを?プロメシュームはメーテルのお母さんじゃ無いか!」
メ「そう、そのためらいが有った為にあなたを危うく死なせる所だった。でももう
二度とためらう事は無いわ、二度と」鉄「メーテル、でもどうやって?」
メ「ただ一つだけ、お父様のエネルギーカプセルさえあれば」鉄「そのカプセル
どこに有るんだい?」メ「お母様の所よ」鉄「何だって?それじゃ取りに行くなんて
とても無理じゃ無いか!」ミライ「私に..私にやらせて下さい!」鉄「ミライ..」
〜惑星プロメシューム 王座〜
プロ「ええい、メーテルと鉄朗はまだ見付からぬのか!」部下「は、申し訳
ございません」扉が開く。プロ「ミライ..まだ生きておったのか。」
ミライ「はい..実はメーテル様と星野鉄朗の居場所についてお話が」
プロ「何?二人の居場所を知っておるのか」ミライ「はい」プロ「早く申せ」
ミライ「はい..」プロメシュームの手からカプセルを奪い逃げるミライ。
プロ「追えー!」廊下をかけるミライ。鉄朗とメーテル登場。
鉄「ミライ!」ミライ「鉄朗さーん!あっ!」敵部下の銃で胸を打ち抜かれる。
急いで鉄朗が銃で敵を倒す。倒れ込むミライ「鉄朗さん..これを。私自分の未来の
為にやったのよ。あなたのお陰で本当に生きる事がどういう事かやっと分かった」
鉄「ミライ..」ミライ「有難う鉄朗さん、素晴らしい未来を見つけてね。あなた
なら出来る、きっと(絶命)」鉄「ミライ!!(横たえて)..さあ、メーテル」
メーテル「お父様..」カプセル「うむ後は任せたぞメーテル」メ「はい。」
〜CM後 惑星の中心〜
鉄朗「誰もいない、今だよメーテル!」かける2人に声が聞こえる。
プロメシューム「メーテル、馬鹿な事はお辞め、私の大事な娘よ今一度話し合おう
私の愛しい娘」メーテル「もうその手には乗りません、お母さま!」プロ「何?」
メ「私が今着ているこの服はお母様に殺された大勢の若者達を弔う喪服。
この喪服を汚す事は出来ません!」カプセルを投げようとするメーテルの手をプロメ
シュームがつかむ。プ「この罪深い娘が、どうあってもこの母を殺そうというのか」
鉄朗「メーテル!」プロ「フフフ撃てるか。撃てばメーテルも死ぬぞ」
苦しむメーテルの手からカプセルが落ち、鉄格子に引っ掛かる。
格子を鉄朗が撃ち、落下していくカプセル。地揺れが始まる。
プロ「おのれ、私はこのままでは滅びぬ。お前達も道連れにしてやる」
その時爆発が起こり、火炎がプロメシュームを包む。プロ「ウワアアアー
メーテル、動力炉を壊されたこの星はブラックホールに吸い込まれる。
お前達も生きてこの星は出られぬ。わは、わはははは..(燃え尽きる)」
メ「お母様..」鉄「大変だ、逃げるんだメーテル、メーテル!」
〜爆発する惑星プロメシューム 逃げまどう人々〜
メーテル「良く見ておきなさい、鉄朗。永遠の命を手に入れた者はいざという時
何にも出来ないわ」鉄「うん、こういう時は捨て身になれる僕達の方がはるかに
強いんだね!」プラットホームへ。鉄「車掌さーん」車掌「鉄朗さんメーテルさん
さ、早く!」なかなか動かない。鉄「動け、動いてくれ」車掌「機関車頼む!」
何とか動き出す999。車掌「やった、やりましたよ」
〜999から爆発する惑星を見る〜
爆発しながらブラックホールに吸い込まれる惑星プロメシューム。
メーテル「..昔は優しい母だった..鉄朗のお母さんに負けない位..でも、この宇宙に
永遠の理想卿を作ろうとした時から母は変わった。私から遠い所へ行ってしまった
..そして父からも。昔、父や母と暮らしていたあの頃が懐かしい..もう一度..
あの頃に帰りたい..」999の最後尾の手すりにしがみつき泣くメーテル。
鉄朗「メーテル..」メーテルの肩に手をのせる。鉄「メーテル..
メーテルの涙、初めて見たよ」鉄朗にしがみつき泣き続けるメーテル。
〜惑星こうもり(1つ前の駅)プラットホーム999の隣に777〜
鉄朗「さあ、いよいよ僕の新しい旅が始まるぞ〜!」のびをする。
車掌「鉄朗さん、これからはどちらへ?」鉄「もちろん地球へ帰るのさ」
車掌「そんなまだ機械人間がのさばってますよ」鉄「大変な事は分かってるさ
でも父さんや母さんの眠る地球を僕の手で素晴らしい大地にしてみせる、必ず」
車掌「そうですか、よく決心しましたね。成功を祈ってます!」車掌去る。
メーテルが999から降りて来る「鉄朗」鉄「メーテル。」
メ「あなたの決心を聞かせてもらったわ。鉄朗もすっかり成長したわね、
嬉しいわ。」鉄「いやあ..」メ「この先も色々と有るでしょうけれど、
しっかりと頑張るのよ。あなたには無限の可能性が有るんだから良いわね?」
鉄朗「うん..メーテル、どうしたの?」涙をふくメーテル
メ「ごめんなさい、何でも無いの。そろそろ発車の時間だわ。私はちょっと
用を済ませてくるから先に乗ってて。」鉄「うん。」メ「鉄朗」
メーテル、しゃがんで鉄朗にキスをする。ボーっとしたまま座席へ
鉄「ハハハ(照れ)..ん?」”鉄朗へ”と書かれた手紙を見つける。
〜メーテルとの別れ 999と777〜
発車のベルが鳴る中、手紙に「お別れ」の文字を見つけ窓から顔を乗り出す。
鉄朗「メーテル..メーテル!(手紙が落ちる)あ..!(777に乗っている
メーテルを見つける)メーテル!メーテル!(汽笛が鳴り、走り出す999)
メーテル!(同時に777も発車)メーテルー!」こっちを向くメーテル。
手紙”鉄朗..とうとう別れの日が来ました。あなたが一人立ち出来た時が
あなたと私の別れの時でも有るのです。いつかは必ずこの日が来る事を
覚悟しながら、私は旅を続けて来ました、つらく悲しく定められた旅を..
(メーテルの前に顔が見えない少年が乗っている)今私は他の少年を未来へ
導く為に新たに旅立ちます。もう、二度と鉄朗と会う事は無いでしょう。
(777と999が同時に空へ飛び出す)私はあなたの思い出を胸に、
永遠の旅を続けます。果てしない旅を..さようなら、鉄朗。いつまでも元気で
(うなずくメーテル)さようなら..(涙をふく鉄朗、笑顔を見せる。)”
777が999の軌道と別れ、メーテルが遠くなっていく。
鉄朗「さようならメーテル、さようならー!さようならー!」
〜エンディングナレーション〜
”人は言う、999は少年の心の中を走っている列車だと。鉄朗はふと思う。
鉄朗の旅は初めから鉄朗一人の旅ではなかったのだろうかと。
メーテルは鉄朗の青春を支えた幻影。沢山の若者の胸の中で生まれ通り過ぎて
行く明日への夢。今、万感の想いを込めて汽笛が鳴る。さらば、鉄朗。
さらば、メーテル。さらば、銀河鉄道999。
さらば、少年の日よ....
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