ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者(前後編)
本編は「全部ひらがな」ですが漢字を使っています。ご了承下さい
ここまでのストーリー(ネタばれ含む)
主人公(自分で名前を付ける)は、崖の上で天地という男に起こされ目覚める。
事故で崖から落ち、主人公は記憶を全て失っていた。うわごとで
「おまもり」と言っていたという。うつぎ探偵事務所の助手として
働いていた事、あやしろ家の主、キクの遺産相続をめぐる
調査をしている事を思い出す。調べている内に遺産相続権の有る
分家筋の カンジ、じろう、あずさが何者かに殺され、
犯人とされたカンジの長男、アキラも遺体で見つかった。
遺言書作成には「かんだ弁護士」が立会っていた。
神田は、昔あやしろ家のあるじに、両親を自殺に追い込まれ、
復讐を企てていた事が判明するが、行方知れずだった。
又、20年前にキクの1人娘、ユリはかけおちし、
ユリの腹違いの弟、かずとも行方不明だったが、ユリはすでに亡くなり、
自分がユリの息子だと分かる。主人公はユリの残した「後継者の証」を
見つける鍵を、おまもり袋から発見、あやしろ家の土蔵に向かうのだった。
〜あやしろ家の土蔵〜
主人公「ぜんぞう(執事)さん。じゃあ そこで 待っていてください」
なぞを秘めた この扉が 今、まさに 開こうとしている!
〜土蔵の迷路を抜けて〜
主「あっ!壁が開いた?! よし、入ってみよう!
壁の奥に部屋が有ったなんて。でも 一体何のために…」
部屋の隅には かみだなが まつってある。
〜きく、とる、よぶ、しらべる、一通り試した後〜
主「あっ!これは…」かみだなの上には おうごんに輝くイン(印)があった!
そのすぐ側には 丁寧に折り畳まれた 紙がそえられている。
〜取る、調べる「かみきれ」〜
主「このインを 持つ者を あやしろ家の正統なる後継者とみなす。」と書かれている!
主「後継者のしるしというのは これの事だったんだ!
僕がうわごとで言ってた おまもりっていう言葉にはこんな秘密が
あったのか。どうりで誰も知らないはずだ……?!
待てよ…僕は 今日まで おまもりの存在すら知らなかった、
その僕がどうして うわごとで おまもりなんて言うんだ?!」
(背後に人影)
「やあ、(主人公)くん…記憶はもどったかい?ふっふっふっ」
振り向くと、そこには 見慣れた男が立っていた…
顔には なまなましい 傷跡が!
あまち「少し気付くのが遅かったようだね。私が 弁護士のかんだだ。
きみには あまちと言った方が 分かりやすいかね?ふっふっふっ…」
主「き、きさまは…」
かんだ「名探偵の(主人公)君…どうやら君は 私の計画を全て知ってしまったようだね…
遺言書を作る…そう言いだしたのが キクにとって運の尽きさ。
私はその日を待っていたんだからね。そのとき キクは殺人のヒントまで教えてくれたよ。
一服つけなきゃ眠れないってな…。カンジもじろうも 仕事のことで 話があると言えば
どこへでもすぐ来てくれたよ。青酸タバコ…、あやしろ家の奴らには
おあつらえむきの方法だろ?
ヤクザから金を借りていたアキラは 借金の肩代わりを申し出ると 喜んで
キクのタバコ入れに 青酸タバコを忍ばせてくれたよ。おまけに 骨董泥棒などという
けちなまねをしてくれたおかげで カンジ殺しまでひっかぶってもらった。そのアキラが…
キクの死体を始末しなきゃまずいと言い出した。二人でキクを海に捨て
墓を元に戻しに行ったとき 後ろから墓石で がつん!奴の指紋だらけの
土蔵のカギをいただいた。今頃 墓の下で 社長になった夢でも見ているさ。
おかげで二郎の時も一人で骨を折ったよ。首吊りに見せかけるためにな。
私とアキラが会っているのを見てしまったあずさは なにか 感づいたようだった。
そして私をゆすろうとした…よけいなことを考えなければよかったものを…
おまけに禁煙中とは あのバカが…、こんなキズまで付けやがって!
さて(主人公)君。お次は君の話だ。ユリを調べているうち すぐ君のことは分かったよ。
私の罠にはまって おまえはすぐ屋敷にやってきた。ご苦労なことさ。
しばらく様子を見ようとしていたものを アキラの奴が…おまえを殺そうと崖へ呼び出した。
それを知った私が すぐに駆けつけてみると おまえは海に浮かんでいた。
あわてておまえを海から引き上げ 調べてみれば お守りなんて持っていない。
その代わりにやけどの跡は確かめたがね…。その最中に息を吹き返したおまえは
幸か不幸か記憶を失っていた。だから私は一芝居打たなきゃならなくなった…。
そうか…おまえはお守りのことを知らなかったのか。」
かんだ「さて…おしゃべりはここまでだ。ここらで消えてもらおうか…
くっくっくっ…俺は…オレは あやしろ家に勝ったんだ!はっはっはっはっ!!」
かんだの手にナイフが光った!
かんだ「くたばれ!」主「うわっ!!」
(主人公)が懐中電灯を落とした為に あたりは暗闇に包まれた!
かんだ「諦めるんだな!」 うわあああっ!
ビシッ! バキッ! ガスッ!
その時 かんだに飛びかかった男がいた!
かんだ「く、くそお!!」男はかんだの手をねじり上げ、
ナイフを その手から落とした。
やがて かんだはぜんぞうの通報で駆けつけた警官に取り押さえられた。
主「あっ あなたは たしか!」
〜崖の上、夕暮れ〜
主人公「あなたは もしや…」
男「(主人公)君だね。やつか町で出会った時 気付いてれば…」
主「かずとさん…ですか?」
かずと「そうだ。ずいぶん探したよ。もことさんから 姉さんの話を
聞いたようだね。君に見せたい物が有るんだ。」
主「?……」
それは ユリからかずとに宛てた手紙だった。父たかおの不幸がつづられている
そして最後にこう書かれていた…
…でも 私には(主人公)がいるわ。ふたりで強く生きてゆきます。
だけど もし… もし私に何かあったら…その時は お願い、かずと
あの子の力になってやってちょうだい。
かずと「すぐにでも姉さんの所へ行きたかった…でも同じ頃、
僕の母が病に倒れた。 そんな訳で僕がやつか町を訪れたのは
5年も後の話なんだ。そこで初めて あの火事の事をさわこさんから
聞いたんだ…法律家を目指す気持ちが変わらない物になったのも
その時だ。君を捨て子として育てるという話を聞いた僕は、
さわこさんに君をまかせた。そして今年やっと念願の司法試験に受かった
僕は大きくなった君に会ってみようと やつか町へ行ったんだ。
そこで もとこさんから話を聞き探している内に、僕は
君が探偵として あやしろ家の調査に向かっている事を知った…
不審に思った僕は あやしろ家にやって来た。そして土蔵の前で
倒れていた ぜんそうさんを見つけ 慌てて中に入ったんだ。
本当に危ない所だったね。」
主「……!あっ」
何と(主人公)のシャツの左胸には かんだのナイフによる穴が開いていた。
そしてナイフから彼を救ったのは…カギの入ったおまもり袋だった!!
かずと「君は今日からあやしろ家の後継者だ。立派に屋敷をつぐ事が
姉さんの為だ… !お、おいきみ!これは…」
(主人公)は黄金のインを かずとに手渡すと こう言った。
主「かずとさん。僕は、あやしろ(主人公の下の名前)じゃない…
とおやま たかおと ユリの息子の(主人公下の名前)です…
それに僕は…僕にとって もっと大切な物を手に入れました…
失いかけていた過去と… この…母さんの、写真です。」
〜スタッフロールの後、終〜
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