ファイナルファンタジー10インターナショナル
「永遠のナギ節」

FF10インターナショナルに同時収録されたもう1つのエンディング。
FF10のエンディングの2年後の設定です。

〜ビサイド島 海岸〜
海で潜水しているユウナ ユウナ(37,38,39,40,41)息つぎの音。
ユウナ「2分41秒、最高記録。」 ワッカ「ユウナぁ、時間だ」
ユウナ「今行く。」 ワッカの方に歩いていうユウナ。
ワッカ「ずいぶん潜ってられるようになったんだな。」
ユウナ「ワッカさんにはかないません。」
ワッカ「俺、もうダミだなあ。トレーニングだって御無沙汰だあ」
ユウナ「ぷにぷにだしね。」 ワッカ「げ」
ユウナ「ワッカさんが産む訳じゃ無いんだよ。」ワッカ手をあげて去る。

ユウナ(あれから..2年。私、2分も潜っていられるようになりました。
長く潜る為には体力だけじゃ無くて、いくつかのコツが必要で、言葉で説明
されても分からなかったけど、何度も試して、最近やっと分かってきたんだ。
ねぇ、あの頃はそんなコツが有るなんて考えた事も無かったよ。考える
余裕なんて無かった。永遠のナギ節、それは私の2分41秒とちょっと
太ったワッカさん。小さな..でも、穏やかな幸せ。)ユウナ海岸から去る。

〜ビサイド寺院〜
ワッカと老人が話している所へユウナが行く。
タスジオ「2年前、遠くからスタジアムでお姿を拝見していたのですが、
こうして間近でお目にかかるとなんとまあ、お美しい...」
ユウナ「有難うございます。」
タスジオ「今日は孫の事でお願いが有りまして、孫が青年同盟に入って
しまったのです。まあ、あの同盟も悪くは無いのでしょうが、
私も妻も新エボン党員でしてな、もちろん息子夫婦も同じです。孫も以前は
集会に参加していたのですが、ある日突然..同盟には若い人達が
多いので孫にとっては刺激的で良いのかもしれませんが..」

ユウナ(あれからスピラのあちこちでいくつものグループが結成されました。
新しい時代をどうやって作っていくべきか、これからのスピラはどうある
べきか、皆が自分達の時代を探している所です。

タスジオ「孫達は..何というか、急ぎすぎている気がするのです。」

ユウナ(色んな考え方が有るから、時には対立も起こります。中には
こんな時代を不安に思う人もいるみたい。実は、私も時々..でも、
今はこれでいいんだ、そう思って暮らしています。)
ユウナ「お気持ちは分かります。でもタスジオさん、一度お孫さんと話し合って
みて下さい。はたからみると危なっかしいかもしれないけれどスピラを想う気持ちは
きっと同じですから。」老人と話し合うユウナ。

〜ビサイド島 滝の道〜
橋の上で滝を見上げるユウナの所へワッカが来る。
ワッカ「おーい」 ユウナ「あれ、お客さん?」
ワッカ「うんにゃちょっと話をな。あのな村のじいさんばあさんがまた例の話をな」
ユウナ「今度は、誰?」 ワッカ「新エボン党の党首の息子らしいぞ」
ユウナ「絶対に、嫌。私きっとその人に利用されちゃうよ。」
ワッカ「あ..悪かったな、ユウナ」 ユウナ「私から断っておくね」
ワッカ「いいって。俺にまかせろ。年寄り達の寂しそうな顔見るの、
ユウナ、つらいだろ?」 ユウナ「うん。」

「ユウナ様ー」誰かがかけてくる。「ユウナ様、自分は青年党のヤイバルであります」
ヤイバル「本日はユウナ様に我らの盟主ヌージからの伝言をお伝えに参りました」
ワッカ「同盟への参加はお断りだぞ」 ユウナ「そういうお話なの?」
ヤイバル「その通りであります」 ユウナ「私どこのグループにも参加しませんから」
ヤイバル「もしや、ご自分のグループを作るのでは?」 ユウナ「帰って下さい」
反対側からリュックがかけてくる。「ユウナん!ワッカ!」

〜アルベド族の船の甲板〜
ユウナ(リュックは時々ビサイドに来てくれます。彼女はスピラ中で
機械の使い方を指導したり、大地に埋もれた機械や海中の機械を
発掘したり、忙しそうだけどいつも楽しそうです。)
ワッカのお腹を「プヨプヨ」と言いつつさわる。ワッカ「やめれ〜」
リュック「ほんとぷにぷにだねぇ。ルールーは?」
ワッカ「おう、村にいるぞ。会っていくよな?」リュック「もっちろん!
ユウナんは..相変わらずみたいだね。」 ユウナ「そう、相変わらず」
ユウナ、空をみあげる。カモメが2羽飛び交う。
ワッカ「キマリはまだガガゼト山なのか?」リュック「そうそう、ロンゾの
孤児達に色々教えてるんだ。すっかり先生って感じだね。でね、今日は
キマリから預かってきたこれを..」リュック何か出す。
リュック「山の中で見つけたんだって。」ユウナ「スフィア?」ワッカ「珍しい形だな」
リュック「ユウナん、よっく見てね。」

〜スフィアの画像〜
ティーダそっくりの男性が映る。画像は荒れ、声も叫ぶように割れている
ティーダ?「何で俺が逮捕されるんだ?納得いかないっての!なあ、
聞こえてるんだろ?あいつがあんたの彼女だったらどう思う?敵の
機械兵器使ってどこが悪いんだよ!召還士を守るにはああするしか無かったんだ!
自分ならどうするか考えてみろよ!出してくれよ!アイツに会わせてくれ!」

〜アルベド族の船〜
ユウナ(なつかしい、なんて言えない..ずっと身近に有る声で)
ワッカ「...何だよ、これ..アイツ、何してるんだ?..っつうかよ、
ホントにアイツなのか?どういう事だよこれ!?」
リュック「よく分からないんだ。でも知りたいでしょ?」ユウナ「うん」
リュック「調べに行こう!」 ユウナ「どこへ?」
リュック「分かんないよそんなの。とりあえず、これを見つけたキマリに話を
聞いて、それから考えよ。」ワッカ「行くったってよ、分からない事が
多すぎるだろ。もうちょい色々分かってからでも良いんじゃ無いのか?」
リュック「誰が調べるわけ!?」 ヤイバル「我々にお任せ下さい!」
突然横に登場。「リーダーのヌージも賛成するはずです、いえ自分が説得します」
ワッカ「帰れよ!」 ヤイバル「了解です。では行って来ます!
委細判明次第戻りますので!」ヤイバル去る。

リュック「アタシはユウナん自身に旅してほしいな」
ワッカ「そりゃ駄目なんだ」リュック「どうして?」
ワッカ「3カ月先まで客の予約が入ってる。皆ユウナに会うのを楽しみにしてるんだ」
リュック「ユウナんの楽しみは?」ワッカ「そりゃ、お前..いつか、
世の中が落ち着いたらな」 リュック「いつかなんて待ってたら来ないよ!
ワッカどうしたの?ユウナんあんなに頑張ったんだよ?もう自分の事だけ
考えれば良いのに、どうして!アタシ、ここに来る度に思ってたんだ。
皆どんどん新しい幸せを見つけていくのに、ユウナんの時間だけ止まったままだよ」
ワッカ「そんな事は」リュック「ぷにぷにワッカは何にも分かって無い!ユウナん」

ユウナ(私は..また旅に出てみたい。でも..勝手にいなくなったら誰かをがっかり
させてしまうかも)空を見上げながら「私...」 ティーダの声が聞こえる。
<大人ぶってかっこつけてさ、言いたい事も言えないなんて絶対嫌だ!
そんなんじゃ何も変えられない!> ユウナうなずき「行く」と言う。
ワッカ「ユウナぁ!」リュック、ホっとしている。
ユウナ「勝手で悪いんだけど..これは私の物語りだから..」
リュック「でっしょー?絶対ユウナんはそう言うと思って私お土産持って来たんだ」
船のハッチを開くリュック。ワッカ「マジかよ..」
リュック「まず着替えね。雰囲気ガラっと変えちゃおうよ!
相変わらず有名人なんだから、変装っぽく!」
ワッカ「ちょ..ちょっと待ってろよな、ル..ルーを呼んでくっから!」ワッカ去る。

ユウナ(永遠のナギ節、それは私の2分41秒とちょっと太ったワッカさん
小さくて穏やかな幸せ。でも..もっと欲張っても良いよね。)リュックを見て
ユウナ「リュック、今の内に出発しちゃおう!」
画面が白くなり、船の出る音だけが聞こえる。

 THE END-戻る