パーマン(漫画版)
藤子F不二夫のパーマンの最終回です。パー子の正体は星野スミレで
余談ですがドラえもんで大人になったスターのスミレが、みつ夫のペンダントを
大事に持って、帰りを待っている人が居るというエピソードが有ります。

〜最終回「バード星への道」〜
みつ夫の部屋。みつ夫「あ〜あ、行きたいなあ。きっと素晴らしい
ユメのような世界なんだろうな。」(蜘蛛が目の前に現れる)
みつ夫「ギャークモだ!!」(机の下に隠れるみつ夫)
コピーロボットのみつ夫「アハハ、ビニールのおもちゃだよ、臆病だなあ」
みつ夫「なんて事するんだ、こんな大事な時に。」
コピー「怒るなよ、ちょっとふざけただけじゃないか」
みつ夫「僕が気の小さい奴だって事が、マイクロレコーダーに記録されちゃった
じゃないか」 コピー「マイクロ..?何だって?」
みつ夫「頭に超小型のレコーダーがくっついているんだ。僕の毎日の行動が
すっかり記憶されるんだよ。一週間前にバードマンがパーマン全員に
付けていったんだ。四人の内誰が一番優秀なパーマンか調べる為に。」
コピー「そんな事調べてどうするの?」
みつ夫「バードマンの星へ留学させてもらえるのさ」
コピー「へえ、いいなあ。だけど駄目だね。君は四番目に優秀なパーマンだから」
みつ夫「じゃあ、ビリって事か。でも僕はどうしても行きたいんだ」
(きっと素晴らしい所だよ。花は咲き、鳥は歌い、病気や犯罪なんて
嫌な物が何も無く、宿題も無く...)
みつ夫「そういえば、まだ宿題をやってなかった。やってよ」
コピー「記録されても良いのかい、君が怠け者だって事」
みつ夫「今日のはまたやけに難しいや。僕の頭が悪いって事がいっぺんで分かっちゃう」
コピー「そらしっかりしっかり」

ガンコ(妹)が階段の下から「ママがおつかい頼むってよ〜」
みつ夫「いって。」 コピー「記録!!」
いやいや外へ出るみつ夫。その時バッジが鳴る。
みつ夫「事件だ!!(パーマンになって)チャンスだぞ」
パーマン「うんと活躍してかっこいいとこを記録に残そう」
パー子「もう片付けちゃったわ」2号「ウキー」
パーマン「2号と3号に先を越されたか。僕も仕事をしなくちゃ。どっかに何か無いかな
(交番へ)ギャングか強盗かアキス、カッパライ万引きなんかいませんか?」
おまわりさん「物騒な事を言うね」
少年「やあパーマンが買い物かごぶらさげてる」少女「変な格好」
パーマン「そうそうサンマを買っていかなくちゃ」魚屋「らっしゃい」

家の前でママ「晩御飯のオカズを頼んだのにみつ夫さんたらどこへ行っちゃったのかしら?」
パーマン「おまちどお!!」(買い物を渡し、部屋に戻る)
パーマン「あっ」コピー「やあ、ごくろうさん」
みつ夫に戻り「駄目じゃ無いか。まんがを読みちらして」
ママ「みつ夫さん!!」ミツ夫「ママだ、かくれろ」
ママ「自分の買い物をパーマンに押し付けちゃ駄目じゃないの。
まあまあ、こんなにちらかして。」みつ夫「今片付ける所だよ。
さんざんだな、こりゃいよいよ駄目らしいや。」

〜どこかの屋根の上でパーマン4人が揃っている〜
「あっというまにテスト期間が過ぎて...。」
パーマン「いよいよ今日だね」パーやん「僕らの中からナンバーワンが選ばれる日や。」
パー子「バードマンの星へ行けるのは誰かしら?良いわねえきっとパーやんよ頭が良いから」
パーやん「いやいやパー子君こそすごい活躍ぶりやからなあ」2号「キーキー」
パーマン「チェッ、僕はどうなんだい。あっ、来た!!」

バードマン「やあ諸君、揃ってるね。早速審査にかかろう。マイクロレコーダーを
返してくれたまえ。再生機にかけると諸君のした事が全部分かる」
パーやん「ワァかなわんな。」パー子「ドキドキするわ」パーマン「どうでもいいや
僕帰る。」パー子「あら、どうして?」パーマン「今日も宿題が有るんだよ」
パーやん「まちいな」パー子「もうすぐ発表よ」パーマン「僕に関係無いもの」
バードマン「パンパカパーン、審査が終わったよ」パーやん「えっ」

バードマン「では最優秀パーマンを発表します。それは..みつ夫君!!」
パーマン「それみろ、僕じゃ無かった。..ええっ!今何て言った?」
バードマン「みつ夫君、君が選ばれたんだよ」パーやん「おめでとう」
パー子「良かったわね、うらやましいわ」 パーマン「僕が最優秀パーマン?ひどい!!
よってたかって僕をからかうなんて」 パー子「何を言うの?」
バードマン「本気にしないのかい?困った奴だな。それじゃ説明しよう。
何故君が優秀かと言えば、皆の中で一番頭が悪くて、弱虫でなまけ者だからさ」
パーマン「え〜?」パーやん「いくら何でもわからん話やなあ」パー子「人を馬鹿に
してるわ!!」2号「ムギー」 バードマン「大体、君達地球人の中で
強いとか弱いとか言ったって、バードマンから見れば大した違いじゃない。」
パーやん「ウーン、そうかもしれんな、しゃくだけど..」
バードマン「それより弱虫が正義の為に必死で勇気を奮い起こして戦う方が、
どんなにか大変だろう。1号はよく戦った。ほんとはなまけ者の1号が、
無いチエをしぼって精一杯活躍してくれた。りっぱだ!!」
パーやん「言われてみれば確かにそうや」パー子「1号は立派ななまけ者だわ!」
2号「ウィーウィー」
バードマン「出発は明朝だ。世界各国の代表パーマンも一緒だから遅れないように」

〜みつ夫の家〜
コピー「へーッ、良かったじゃない!!」みつ夫「う、うん..」
コピー「何だ、あまり嬉しそうじゃ無いな」みつ夫「どうも心細くなって来たんだよ」
コピー「元気を出せよ、留守中は僕が引き受けるから。」みつ夫「うん..」
食卓。みつ夫(皆とごはんを食べるのもこれが最後か)ガン子「何をブツブツ言ってるの」
ママ「あまり食べないのね、どうかしたの。」みつ夫「ママ」ママ「え?なあに?」
みつ夫「僕が洗うよ」ガンコ「まあ!!雨が降るわ。」
みつ夫「パパ、何か用事ない?」パパ「いや別に」みつ夫「はいタバコ」
パパ「もう吸ってる」みつ夫「もう1本吸ってよ、肩をもんであげる」
パパ「こってない!」みつ夫「夕刊持ってくる」パパ「もう読んだよ」
みつ夫「何かさせてよ」パパ「じゃ、静かにしてくれ。テレビを見てるんだ」
ガンコ「お兄ちゃん、あまり変わった事しないでよ。明日雨が降ると困るのよ」
みつ夫「おまえともずいぶんけんかしたな。いい子になるんだぞ。(抱きよせて)
可愛い妹よ!!」逃げるガンコ「気持ち悪い。」

〜外へ〜
コピー「どこへ?」みつ夫「ブラっと町へ..なごりを惜しんでくる。
いつも見なれた景色だけど、今夜でお別れだと思うと..、まるで違って見えるな」
サブ「みつ夫君、どうしたの、ボヤーッとした顔で?」
カバ夫「こづかいでも落としたのかい。」サブ「な、なんだい!?」
カバ夫「人の顔をジロジロ見て。気持ちの悪い奴」(サブとカバ夫去る)
(みっちゃんの家の窓を見て)みつ夫「みっちゃんだ。一言別れの挨拶を..
いやよそう。悲しくなっちゃいそうだ。ひそかに別れの歌を歌おう。
これはロマンチックで格好良いぞ。夜ぎりの〜かな〜たにわかれ〜を〜つげ〜」
みっちゃん「変なうなり声が聞こえるわ」みっちゃんのママ「いつものドラネコざんしょ
(水をかけ)シッシッ、あっちへいけっ」

〜夜、みつ夫の家の屋根〜
コピー「ケンタウロス座のプロキシマ。あれがみつ夫君の行く星だよ。4.3光年」
みつ夫「ひどく遠いんだなあ」コピー「バードマンの円盤は超光速だから
たいした事ないさ」みつ夫「いやだっ!!皆と別れてそんな遠い星へ行くなんて」
コピー「何を言うんだ今さら。」

〜朝、みつ夫の部屋〜
コピー「起きろよ、出発の時刻だよ」みつ夫「嫌だ、僕は行かないよっ」
ママ「みつ夫さん、学校に遅れるわよ」(コピーは押し入れに隠れる)
みつ夫「外へ出たらバードマンに星の国へさらっていかれるんだ」
ママ「朝からねぼけないで。」みつ夫「嫌だ嫌だ、行きたくなあい!」
ママ「起きなさい!!(布団をはがす)」みつ夫「ママ、助けて。」
ママ「どうしたのよ。」みつ夫「あれ..。ママが固まっちゃった」
バードマン「時間を止めたんだ。私の事を人さらいみたいに言うな、全く君には
ガッカリしたぞ。見ろ!」みつ夫「あっ!」(円盤が沢山浮かんでいる)
バードマン「新しい世界を見に行く為喜んで世界中から集まったパーマン達だ」
外へ出るバードマン「もういい!いつまでもママのおっぱいをしゃぶってろ」
みつ夫「人を赤んぼみたいにいって!」(パーマンになる)
パーマン「ママ..(抱き着く)行って来ます!!」外へ。

〜地球との別れ〜
バードマン「ほう、行く気になったかい。あとで後悔するんじゃ無いかな」
パーマン「するかもしれない。でも僕は行くんだ」パー子「おはよう」
パーやん「おそいやないか、心配したぜ」パー子「静かな朝ね、虫一匹動いていないわ」
パーやん「今僕らは時間の流れの外にいるんや。」
バードマン「さあ、あれが君の円盤だ」パーマン「じゃ...」
2号「アキャモキャ!ウキキー!(マスクの下からバナナを出す)」
パーマン「せんべつかい、有難う」
パーやん「うちの寺のお守りや、よう効くぜ」パーマン「サンキュー」
パー子「あたしは何にも無いけど..、ちょっとこっちへ。」円盤の後ろに行く2人
マスクを脱ぐパー子。正体は少女スターの星野スミレ
パーマン「きみは!!」スミレ「シーッ...。」(マスクをかぶる)
パーマン「有難う!!素敵なプレゼントだよ。」
パーやん「良いな、良いな。1号ばっかり」バードマン「さあ」
パーマン「さよならは言わないよ。立派なパーマンになったらきっと帰って来るからね」
パー子「頑張って」パーやん「僕らの分もな」2号「キーキー」
円盤に乗り込み出発するパーマン1号「行ってきま〜す。」

〜みつ夫の家〜
コピー「行っておいで〜。頑張ってね〜。」
ママ「行くのはあんたでしょ。学校へ!」
コピー「そうだ!!遅刻しちゃうぞ。行ってきま〜す!!」
パーマン1号が他の円盤と共に宇宙へ。手をふっている。

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