新世紀エヴァンゲリオンTV第1話
「時に、西暦2015年」
水没した町、その水中を泳ぐ使徒サキエル。迎撃体勢の戦略自衛隊
アナ「本日12時30分、東海地方を中心とした関東中部全域に
特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに
指定のシェルターへ避難して下さい。繰り返しお伝え致します..」
誰もいない町に女性(ミサト)の乗った車だけが走る
ミサト「よりによってこんな時に見失うだなんて参ったわねぇ」

電話中の主人公、碇シンジ。電話「特別非常事態宣言発令の為
現在全ての通常回線は不通となっております」
シンジ「駄目か..やっぱり来るんじゃ無かった。(ミサトの写真を見て)
待ち合わせは無理か。しょうがない、シェルターに行こう..?」
何故か綾波レイが町中にいる。目をそらし、戻すと消えている。
大きな揺れ「うわっ」使徒がUNに囲まれつつ進撃している。

ネルフ。アナ「正体不明の移動物体は依然本所に対し進行中」
「目標を映像で確認、主モニターに回します」
冬月「15年ぶりだね」碇指令「ああ、間違いない。使徒だ」

第壱話「使徒、襲来」

ミサイルが使徒に!「目標に全弾命中!うわぁ!」壊されるUN戦闘機
落ちた戦闘機を使徒が踏み付け爆風をあびそうになるシンジ
そこにミサトの車が駆け付ける。「ごめーん、お待たせ」

UN戦闘機の攻撃にビクともしない使徒。急いで脱出するミサトとシンジ
ネルフ。「目標は依然健在、現在も第3新東京市に対し進行中」
アナ「航空隊の戦力では足止め出来ません」
UNの偉い人3人組「総力戦だ!厚木と入間も全部あげろ!」
「出し惜しみは無しだ!何としても目標をつぶせ!」ミサイルも効果無し
「何故だ!?直撃のハズだ!」「戦車大隊は壊滅、誘導兵器も砲爆撃も
まるで効果無しか」「駄目だ!この程度の火力ではらちがあかん!」
あわてるUNの人を冷たく見つめる碇指令と冬月。
冬月「やはりA.Tフィールドか」
碇指令「ああ、使徒に対し通常兵器では役に立たんよ」
電話を取るUNの人「..分かりました。予定通り発動致します」

遠くからミサトが双眼鏡で使徒を見ている。
ミサト「ちょっとまさか..N2地雷を使うわけ?ふせて!」シンジ「わ」
使徒の真下から大爆発!爆風に飛ばされるミサトの車。

UNの人「やった!」「(碇を見て)残念ながら君達の出番は無かった
ようだな」アナ「衝撃派、来ます」画像が乱れる。

ミサト「だーいじょうぶだった?」シンジ「ええ..口の中がシャリシャリ
しますけど..」「そいつは結構。じゃ、いくわよ?せーの!」
2人で横になった車を押し戻す。ミ「どうもありがと、助かったわ」
シ「いえ、僕の方こそ..葛城さん」「ミサト、でいいわよ。
改めてよろしくね碇シンジ君」「あ、はい」

ネルフ。UNの人「その後の目標は?」アナ「電波障害の為確認出来ません」
UN「あの爆発だ、ケリはついている」アナ「センサー回復します」
アナ「爆心地にエネルギー反応!」UN「何だと!?」「映像回復します」
使徒が悠然と立っている。UN「我々の切り札が..」「何て事だ..」「化け物め」

車で移動中のミサト「(電話で)ええ心配ご無用。彼は最優先で保護してるわよ
だからカートレインを用意しといて。直通のやつ。そう、迎えに行くのは
私が言い出した事ですもの、ちゃーんと責任持つわよ。じゃ(切る)」
ミサト(しっかしもー最低ー!せっかくレストアしたばっかだったのに
早くもベッコベコ。ローンがあと33回プラス修理費かぁ..おまけに
いっちょうらの服までだいなし..せっかく気合い入れて来たのに〜トホホ)
シンジ「あの、ミサトさん。あの、ミサトさん?」「あ、何?」
「良いんですか?こんな事して」放置車からバッテリーを無断借用。
ミ「あ〜、いいのいいの。今は非常時だし、車動かなきゃ仕方無いでしょ
それにあたし、こう見えても国際公務員だしね。万事オッケーよ」
「説得力に欠ける言い訳ですね」「つまんないの。可愛い顔して意外と
落ちついてんのね」「そうですか?」「あれ?怒った?ゴメンゴメン!
おっとこの子だもんね〜」「ミサトさんこそ年の割に子供っぽい人ですね」
「何よー!」乱暴に運転するミサト。

使徒をモニターで見ながら冬月「予想通り自己修復中か」
碇「そうでなければ単独兵器として役に立たんよ」
使徒はモニターを破壊。冬月「ほう、大した物だ。機能増幅まで可能なのか」
碇「おまけに知恵も付いたようだ」冬月「再度進行は時間の問題だな」

地上からカートレインに乗るミサトの車。「ゲートが閉まります御注意下さい」
シンジ「特務機関、ネルフ?」ミサト「そう、国連直属の非公開組織」
シ「父のいる所ですね」ミ「まねー。お父さんの仕事、知ってる?」
シ「人類を守る大事な仕事だと、先生からは聞いてます」

ネルフ、UNの人「今から本作戦の指揮権は君に移った。お手なみを見せて
もらおう」碇「了解です」UN「碇君、我々の所有兵器では目標に対し
有効な手段が無い事は認めよう」「だが、君なら勝てるのかね?」
碇「そのためのネルフです」UN「期待してるよ」去るUN3人組
冬月「国連軍もお手上げか。どうするつもりだ?」
碇指令「初号機を起動させる」冬月「初号機をか..パイロットがいないぞ」
碇「問題無い、もう1人の予備が届く」

車の中。シンジ「これから父のいる所へ行くんですか?」
ミサト「そうね、そうなるわね」シ(父さん..)
ミ「あっそうだ、お父さんからIDもらってない?」「あ、はい..どうぞ」
ミ「ありがと。じゃあ、これ読んどいてね」「ネルフ?父さんの仕事..
何かするんですか?僕が」答えないミサト。シンジ「..そうですね
用も無いのに僕に手紙をくれるはず無いですよね」「そっか、苦手なのね
お父さんの事が。私と同じね」「え?」急に視野が開け地下に町が広がる
シンジ「凄い!本当にジオフロントだ」ミ「そうこれが私達の秘密基地
ネルフ本部、世界再建の要、人類のとりでとなる所よ」

CM後。ネルフ内で迷うミサトとシンジ。ミ「おっかしいなー確か
この道のはずよね..これだからスカーターって使い難いのよねココ
しっかしリツコはどこ行っちゃったのかしら..ゴメンね?まだ
慣れてなくって」シ「さっき通りましたよココ」ミ「..でも大丈夫
システムは利用する為に有るものね」

アナ「技術局一課、E計画担当の赤木リツコ博士、赤木リツコ博士
至急、作戦部第一課、葛城ミサト一尉まで御連絡下さい」
作業中のリツコ「あきれた..また迷ったのね」

マサトとシンジの乗ったエスカレーターが止まり、開くとリツコが。
ミ「あ、あらリツコ」リ「何やってたの葛城一尉。人手も無ければ
時間も無いのよ」ミ「ゴメン!」リ「(シンジを見て)例の男の子ね」
ミ「そう、マルドゥックの報告書によるサードチルドレン」
リツコ「よろしくね」シンジ「あ、はい」
ミ「これまた父親そっくりなのよ可愛気の無い所とかねー」

指令室から出る碇指令「それでは後を頼む」冬月「三年ぶりの対面か」
日向「副指令、目標が再び移動を始めました」
冬月「よし、総員第一種戦闘配置!」

移動中のミサト達3人。アナ「繰り返す、総員第一種戦闘配置、
対地迎撃戦用意」ミサト「ですって」リツコ「これは一大時ね」
ミ「で、初号機はどうなの?」リ「B型装備のまま現在冷却中」
ミ「それ本当に動くの?まだ一度も動いた事無いんでしょ?」
リ「起動確率は0.000000001%、オーナインシステムとはよく言った物だわ」
ミ「それって動かないって事?」リ「あら失礼ね、0では無くてよ」
「数字の上ではね。ま、どの道動きませんでした、ではもう済まされないわ」

初号機のケージへ着く3人。シ「あ..真っ暗ですよ?(明かりがつき)わっ」
初号機の顔が見える。シ「顔?巨大ロボット?(ネルフ案内書を見る)」
リ「捜しても載ってないわよ。人のつくりだした究極の汎用人型決戦兵器
人造人間エヴァンゲリオン、その初号機。建造は極秘裏に行われた
我々人類の最後の切り札よ」シ「これも父の仕事ですか?」
「そうだ」と初号機の顔の上の窓から碇指令が話す。
碇指令「久し振りだな」シ「父さん..(顔をそむける)」
碇指令「フッ..出撃」ミサト「出撃!?零号機は凍結中でしょ!?
まさか初号機を使うつもりなの!?」リ「他に道は無いわ」
ミ「ちょっとぉ!レイはまだ動かせないでしょ?パイロットが
いないわよ!」リ「さっき届いたわ」ミ「マジなの」
リ「碇シンジ君?」「はい」「あなたが乗るのよ」「え?」
ミ「でも綾波レイでさえ、エヴァとシンクロするのに7ケ月も
かかったんでしょ?今来たばかりのこの子にはとても無理よ!」
リ「座っていればいいわ。それ以上は望みません」ミ「しかし..」
リ「今は使徒撃退が最優先事項です。その為では誰であれエヴァと
わずかでもシンクロ可能と思われる人間を乗せるしか方法は無いわ。
分かっているはずよ、葛城一尉」ミ「そうね..」

シンジ「..父さん、何故呼んだの?」指令「お前の考えている通りだ」
シ「じゃあ僕がこれに乗ってさっきのと戦えっていうの?」「そうだ」
シ「嫌だよそんなの!何を今さらなんだよ!父さんは僕がいらないんじゃ
無かったの?」指令「必要だから呼んだまでだ」シ「何故僕なの..」
指令「他の人間には無理だからな」シ「無理だよそんなの。見た事も
聞いた事も無いのに出来る訳ないよ!」指令「説明を受けろ」
シ「そんな..出来っこ無いよ!こんなの乗れる訳無いよ!」
指令「乗るなら早くしろ、でなければ帰れ!!」
使徒が地上から地下に向けて攻撃をする。
指令「奴め、ここに気付いたか」リ「シンジ君時間が無いわ」
ミ「乗りなさい」シ「嫌だよ..せっかく来たのに..こんなの無いよ!」
ミ「シンジ君?何の為にここに来たの?駄目よ逃げちゃ!お父さんから
何よりも自分から!」シ「分かってるよ!でも出来る訳ないよ!」

碇指令「冬月、レイを起こしてくれ」冬月「使えるかね?」
指令「死んでいる訳では無い」「分かった」指令「レイ」レイ「はい」
指令「予備が使えなくなった、もう一度だ」「はい..」
リツコ「初号機のシステムをレイに書き直して再起動!」
オペ「了解、現作業を中断、再起動に入ります」シンジから離れる皆
シ(やっぱり僕は、いらない人間なんだ)
点滴中の綾波レイがベッドごと運ばれてくる。荒い息で起き上がるレイ
使徒の攻撃!本部が揺れレイがベッドから落ちる。天井が崩れ
シンジに崩れかかる!ミサト「危ない!」初号機が急に手を出し、
シンジを落下物から守る。オペレータ「エヴァが動いた?どういう事だ」
「右腕の拘束具を引きちぎっています!」リツコ「まさかあり得ないわ!
エントリープラグも挿入していないのよ?動くはずないわ!」
ミサト「インターフェイスも無しに反応している?というより守ったの?
彼を?いける!」レイに駆け寄るシンジ。手に血がベッタリと付く
シ(!..逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ)
シ「やります、僕が乗ります!」

オペ「冷却終了」「右腕の再固定完了!」「ケージ内全てドッキング位置」
マヤ「停止信号プラグ排出終了」「了解、エントリープラグ挿入」
「プラグ固定終了」「第一次接続開始」マヤ「エントリープラグ注水」
シンジのコクピットに黄色い水(LCL)が。シ「え?な、何ですかこれ、うぐ」
リツコ「大丈夫!肺がLCLで満たされれば直接血液に酸素を取り込んで
くれます。すぐに慣れるわ」シ「ぐ..気持ち悪い..」
ミ「我慢なさい!男の子でしょ」シ「う、うん」

オペ「主電源接続!」「全回路動力伝達」リツコ「了解」
マヤ「第二次コンタクトに入ります。A10神経接続、異常なし」
リ「思考形体は日本語を基礎言語としてフィックス。初期コンタクト
全て問題無し」マヤ「双方交回線開きます。シンクロ率41.3%」
リ「凄いわね」マヤ「ハーモニクス全て正常値、暴走ありません」
リ「いけるわ」ミ「発進、準備!」日向「発進準備」

オペ「第一ロックボルト外せ」「解除確認」「アンビリカルブリッジ
移動開始」「第二ロックボルト外せ」「第一拘束具除去」「同じく
第二拘束具を除去」「1番から15番までの安全装置を解除」
「内部電源充電完了」「外部電源用コンセント異常なし」
マヤ「了解、エヴァ初号機、射出口へ。進路クリア、オールグリーン」
リ「発進準備完了!」ミサト「了解!(碇指令を見て)構いませんね?」
指令「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り我々に未来は無い」
冬月「碇、本当にこれで良いんだな?」無言でニヤつく指令。
ミサト「発進!」初号機が地上へ!シンジ「ぐうっ..」
使徒の目の前の地上から初号機が登場、おびえた目のシンジ。
ミサト(シンジ君、死なないでよ)
つづく

2話TV版予告:エヴァは使徒に勝つ。だがそれは全ての始まりに
過ぎなかった。父親から逃げるシンジ。ミサトの傲慢は自分が彼を
救おうと決心させる。次回「見知らぬ、天井」この次もサービスサービス

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