3×3EYES〜コミック1話〜
1983年、チベット。藤井教授が倒れている「い..いつか..
必ず君を人間にしてあげるよ..かなら..ず」死亡した教授を見つめる少女

1987年東京、新宿。バイクに乗った八雲「うっひゃあ、遅刻遅刻っと」
少女(パイ)が「願 新宿区十人町つれてて」の札を首から下げている。
八雲「何だあの娘..スゲェキタネェな..十人町か..俺んちの方だな..
道くらい教えてやるか..な」パイが後ろから杖とカバンを盗まれる!
パイ「ア〜ッ!シャオトウ(ドロボウ)!」八雲の方へ来る泥棒。
「ややややめろよ!」泥棒「ガキはすこんでろ!!」八雲を殴り倒し逃走。
パイ「ダ、ダイジョブカ?」八雲「へっへっへ」カバンを取り戻している。
パイ「シェシェ、ドモアリガト」「へへへ」

バー。八雲「君--中国人?名前は?」「パイ」「へー俺はさ..
(女装してる)言っとくけど俺オカマじゃ無いからね」「?」「俺が小さい頃
お袋が家出して、四年前には民族学者の親父がチベットで遭難。
しようがねぇから俺、いい金になるこんなバイトしてるワケ。わかる?」
パイ「ガクジュツテキナ、オハナシネ」
八雲「へへっ(こいつ本当に日本語分かってるのかな?)
バー店員1「ヤックモちゃんどしたの、その娘」
店員2「女の子、苦手なんじゃないのヤクモ?」
1「八雲ももう16歳、Hがしたい年頃か」
八雲「そ、そんなんじゃねーよ!」パイ「ヤ・ク・モ?」「へ?」
パイ「藤井八雲?藤井教授ノ息子『ヤクモ』?コノ『ヤクモ』?」
手紙を差し出すパイ。八雲「そ、そうみたい..だ..けど」
パイ「ヤクモーー!アヒタカタ!ヤットアエタ!四年モ!
チベットカラ四ネンモカカタヨ!!ヤクモヤクモヤクモ!」(抱き着いて泣く)
「な、何がいったい?」ママ「バカ野郎!店で女泣かすな!」「ママ助けてよ」
ママ「知らん!それより組の者に引ったくり捜してもらうから盗られた物
正確に教えな」八雲「荷物は取り返したんだけど..杖が...」

杖を盗んだ泥棒「ちっ今日の収穫はコイツだけか」杖の先を取る。巨大な鳥が出現

頭骸骨をテーブルに乗せるパイ「藤井教授..」八雲「お、親父!?」
店員「教授?」「ヤクモの父さん偉かったんだ」
八雲「へへっお袋や俺を放っぽり出して妖怪のコトばっか追いかけてた、
民族学者とは名ばかりの妖怪狂いの道楽親父ですよ(手紙をあける)」

手紙”前略 元気でやってるか八雲。半年以上も連絡をとらなかった道楽者の
父さんを許してくれ”八雲「へへっもう4年だぜ」”父さんは今チベットから
クンミンへ向かう途中だが、残念な事に父さんはここでこの世を去る事に
なりそうだ。そこでヤクザな父の最期の頼みを是非とも聞いて欲しい。
あれはチベット踏査していた時の事--私は空腹と疲労の為倒れてしまった。
人里を遠く離れ他に頼る者もなく、もうダメだ、そう思っていたのだが..
彼女の名前はパイ、私を助け介抱してくれたのだ。そして何より彼女こそ
父さんが長年追い続けて来た、不老不死の術を使うという幻の民、
サンジヤンウンカラの生き残り..生物学的に言って『ヒト』とは
異なる進化を辿った種族..俗に言う「妖怪」なのだ。”
八雲「バカバカしい!親父の妖怪狂いにもアキれるね、へへっ」

”パイはまだ不老不死の術を使うスベを知らないのだが、もう三百年近く生きて
いるという..なのに何故彼女を残し他の三只眼達は姿を消してしまったのか”
(パイ「教授--私も人間になりたい」教授「ああ必ず人間にしてあげる」「わぁい」)

”そう..その昔人間に憧れ人化の術を発見した彼らは短い命しかない人間となり
天寿を全うしていったのだ..(教授「もし私が死んでも..かわりに息子の八雲が君を
『人間』にしてくれるよ(手紙をパイに渡す)」)”三只眼を人間にする詳しい事は
香港の「妖撃社」の亜栗という専門家が知っているはずだ”
八雲「ひ、人の苦労も知らんで...」
”頼む八雲!!パイを連れ香港に彼を訪ねてくれ”
八雲「冗談じゃないぜ!何で俺が香港まであんな小汚ねえ娘の為に..」
綺麗になったパイがいる、驚く八雲。
店員「ウフフ、せっかくだもの商売用メイクしてあげたのよ」
パイ「アタシ..変ジャナイカ?ヤクモ?」八雲「か、可愛い..あ..いや..その」

手紙”私がパイとした約束を八雲、お前が果たしてくれ”
八雲「それとこれとは話が別だ!大体この世に妖怪なんているわけな..」
パイがTVに映った妖鳥を見て、急に「タクヒ!」と叫ぶ
TV「御覧下さい!警察隊の発砲にも動じる事なく新宿の夜空を悠々と飛ぶアレは
一体何なのでしょうか?人面鳥とでも言うのでしょうか、あのような生物が
存在するとは信じられません」パイが「タクヒ!」と外へ飛び出す。
追う八雲「お、おいパイ!待てよ!『タクヒ』って何!?」
「トモダチ!杖の中ニイタ、私ノトモダチ!!」バイクに乗る2人
「うそぉっ!あんなモン俺には紹介しないでよ!!」
「アノ子興奮シテ自分見失ッテル!早ク静メナイト危険!」
「あのねー!俺は無関係だからね!!え?うっそぉ!」
上空にタクヒが出現、パイ達を襲う!「ヤメテ!私ガワカラナイノ!?」

リポーター「怪物が暴れ出しました!防衛庁は何をして
いるのでしょうか?自衛隊はまだ出動していません」

気が付く八雲。パイが両手を広げて襲い来る妖鳥に対面している!
「パイッ!」パイを突き飛ばし八雲の体にタクヒの爪が突き刺さる!
八雲「うそだろ..(死んじまうのかよ、俺)」
パイ「ダメェッ!死ンジャダメェッ!!ヤクモ!!
パイの額に第3の眼が現われ、八雲とタクヒを光で包む

朝、リポーター「昨夜の出来事が夢のようです。怪鳥はどこから現れ
どこへ消えたのでしょうか?謎です、怪鳥を包み込んだ怪光線は
何だったのでしょうか?まったくの謎です」

血だらけの八雲をパイが包みこんでいる。
八雲の傷がみるみる消え、額にウーの文字が。
八雲「..ふ、服に血の跡も無い!?杖も返ってきてる!?あれは夢
..じゃ無いよな...」パイが寝ている「ヤ ヤクモ..」目が覚めるパイ。
「ヤクモ!!..大丈夫ナノ?」「へへっ..わかんないけど..ピンピン」
八雲「行こう、香港。必ず君を人間にしてあげるよ!」
手をつなぐ2人。

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